2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

日野啓三著「あの夕陽」(第72回 (1974年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

日野啓三は名前は聞いたことはあるが、初めて読む。以下本の内容や感想などを述べる。 内容 感想 印象に残ったところ 選評 参考 内容 ソウルに新聞記者の特派員として行った私がミス李というガールフレンドとあってから、私と妻令子との関係は悪くなっていく…

三木卓著「鶸」(第69回 (1973年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

三木卓のものは初めて読む。以下話の内容や感想などを述べる。 話の内容 三木卓について 感想 印象に残ったところ 選評 参考 話の内容 時代は具体的なことは本文中にはないが、戦後のことについてかかれているのだと思う。少年とその兄が煙草を中心に物品を…

石原慎太郎著「太陽の季節」(第34回 (1955年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

「太陽の季節」は6,7年前読んだことがあり、当時抱いた感想はあまりはっきりしないが青い感じのするというものであったが今回は2度目の読書ということもあるのだろう、もっと鮮明にどういう展開か、ということを追うことが出来たような気がする。が、船に関…

(「或る「小倉日記」伝」を読んで) 森鷗外の「二人の友」を読む

この前「或る「小倉日記」伝」を読んだためそれに出てくる森鴎外の作品を探していたら、「二人の友」というものは手元にあったので読んでみることにした。 「或る「小倉日記」伝」は森鷗外の3年あまり住んでいた小倉での生活を田上耕作という人物が調べてい…

五味康祏著「喪神」(第28回 (1952年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

松本清張の「或る「小倉日記」伝」と同時受賞した作品である。五味康祏のものは初めて読む。以下本の内容や感想などを述べる。 本の内容 瀬名波幻雲斎信伴の業は妖剣だといわれている。幻雲斎は幾らか試合をし、強さを見せつける。その後、試合で敗れた人物…

松本清張著「或る「小倉日記」伝」(第28回 (1952年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

一時期西村京太郎のミステリーは読んだことがあったが、松本清張は読んだことがない。初めて読む。以下話の内容と感想を述べる。 話の内容 感想 選評 参考 話の内容 昭和15年のある時詩人であり医者であるk・mの元へ手紙が来た。k・mは同じ医者であった森鷗…

菊村到著「硫黄島」(第37回 (1957年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

菊村到のものは初めて読む。以下話の内容や感想などを述べる。 話の内容 感想 印象に残ったところ 選評 参考 話の内容 片岡という男が私の働く新聞社の応接室に現れる。片岡は昔江東区北砂町で工場で働いていた。彼は「戦後、硫黄島で洞窟三年余つづけた穴住…

近藤啓太郎著「海人舟」(第35回 (1956年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

近藤啓太郎のものは初めて読む。以下内容や感想などを述べる。 内容 感想 親しみのない言葉 選評 参考 内容 主人公は22歳の海人、勇。勇は同じ船便場で顔を合わせる年上で28歳のナギに恋をし、結婚まで考えたがナギにそのことを言うと、「村一番の海人になっ…

遠藤周作著「白い人」(第33回 (1955年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

遠藤周作の書いたものは、「沈黙」をもってはいるが、本文は見ていないのでこれで初めてである。 以下本の内容や感想等を述べる。 本の内容 感想 「悪は変わらないさ」 うまいとおもった描写 選評 参考 遠藤周作の芥川賞受賞のことば (一部抜粋) 今回読んだ…

吉行淳之介著「驟雨」(第31回 (1954年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

「驟雨」は前に本屋で確か背表紙に文字に色がついていて、際立っていると思ったのだが買わず。今回は芥川賞作品を読んでいる流れで読むことにした。以下話の内容や感想などを述べる。 話の内容 感想 驟雨は何を表すのか? 光の描写 選評 参考 話の内容 東京…

安岡章太郎著「陰気な愉しみ」(第29回 (1953年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

前は「悪い仲間」を紹介したのだが、この「陰気な愉しみ」も同じ様に第29回の受賞作である。以下話の内容や感想などを述べる。 話の内容 感想 少し変わったたのしみ 印象に残った描写 選評 参考 野毛の写真 今回読んだもの 話の内容 月に一度私は横浜の役所…

安岡章太郎著「悪い仲間」(第29回 (1953年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

安岡章太郎のものは初めて読んだ。以下、話の内容や感想を述べる。 話の内容 感想 藤井の手紙は本当か いいと思った描写 選評 参考 話の内容 大学の予科にいるぼくは最初、藤井という朝鮮出身で京都に住む(僕が驚いてしまうであろうこと)を平然とやってのけ…

小島信夫著「アメリカン・スクール」(第32回 (1954年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

第32回の芥川賞受賞作は前に読んだ「プールサイド小景」と今回読んだ「アメリカン・スクール」の2作があるようだ。以下話の内容や感想などを書いていく。 話の内容 感想 カタカナが多い ハダシとハイ・ヒールと靴 選評 参考 話の内容 時代は敗戦後。ある県に…

庄野潤三著「プールサイド小景」(第32回 (1954年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

前読んでた「芥川賞全集7巻」はあと一作品あったのだが、途中まで読んで軽いテーマではなかったのでやめた。今回読んだ「プールサイド小景」はそれに比べれば軽く書かれているのだが、印象に残る作品だなと思った。以下作品の話や感想などを述べる。 話の内…

柴田翔著「されど われらが日々——」(第51回 (1964年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

柴田翔のものは初めて読む。以下話の内容や感想を述べる。 大意 印象に残ったところのまとめー同世代を抜ける 全体的な感想 選評 参考 大意 大学院生である私(大橋)と大学を卒業しある商事会社に勤める私と婚約を決めた彼女の節子は遠縁の親戚であり、親しか…

柏原兵三著「徳山道助の帰郷」(第58回芥川賞 (1967年下半期) 受賞作)を読む

柏原兵三のものは初めて読む。以下話の内容や感想などを述べていく。 大意 より詳しく 一章 二章 三章 戦争に関わった故のこと 死を暗示する比喩 感想 選評とそれに対して思ったこと 参考 大意 徳山道助という人物は大分出身で東京に暮らしており、日露戦争…

高井有一著「北の河」(第54回 (1965年下半期) 芥川賞受賞作) を読む 

高井有一のものは初めて読む。以下、話の内容や感想などを述べていく。 話の内容 母の特徴 母はなぜ自殺をしたのか 柿の描写 死骸の描写のところで自然の描写がある 感想 選評 参考 話の内容 父が死に、又4月の空襲で都会の家が焼かれた15歳の私という少年と…

丸山健二著「夏の流れ」(第56回 (1966年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

丸山健二のものは初めて読んだ。以下、話の内容や読んだ感想などを述べる。 話の内容 ヘミングウェイの作品を思い出す 人間の死・出産の対比 死に際した際の人間の行動 感想 選評 参考 話の内容 場所設定は刑務所、夏である。私(佐々木)の仕事は刑務官。私に…

津村節子著「玩具」(第53回 (1965年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

津村節子のものは初めてである。以下、話の内容や感想などを述べていく。 話の内容 夫志郎のまめさの描写 夫志郎のペットと妻春子の対比 妻には妻なりにこだわる所がある 夫は鳥羽に行くかどうか なんとも夫の不器用なかんじ 印象に残ったところ 感想 参考 …

川上弘美著「蛇を踏む」(第115回 (1996年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

川上弘美のものは初めて読む。前から名前は知っていたが読んだことは無かった作家である。話の内容、読んだ感想等を書いていく。 話の内容 なぜ蛇になるのか? 星新一著「やつらのボス」 (『ご依頼の件』に収録)を思い出す 感想 参考 話の内容 ある時、ミド…

大江健三郎著「飼育」(第39回 (1958年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

大江健三郎のものは「静かな生活」は映画では見たことはある。が、本で読むのは初めてである。映画で観るときとは違い、一語一語気負ってみていく必要があったので頁数の割に読むのには時間がかかった。以下、話の内容、感想等を述べる。 話の内容 犬と飛行…

西村賢太著「苦役列車」(第144回 (2010年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

この本は6、7年ほど前に読んだことがあり、一応の思い入れはある。前に読んだときに思ったことも交えて、感想を書いていく。 話の内容 感想 1. 印象に残ったところ 2. バイトは近年の芥川賞の主流なのか 3. 全体的に思うこと 参考 話の内容 主人公は貫多と…

開高健著「裸の王様」(第38回 (1957年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

開高健のものは初めて読んだ。以下、話の内容や感想等を述べる。 話の内容 比喩がうまい まるで主人公のぼくは心理学者の様だった 感想 参考 話の内容 大田太郎が山口の紹介でぼくの画塾に来ることになった。山口は小学校の教師をする傍ら自分でも絵をかいて…

第135回 (2006年上半期) 芥川賞受賞作/伊藤たかみ著「八月の路上に捨てる」を読む

あまり~賞をとったがゆえに読むというのは読む理由としていいものではないだろうが、読んだ理由としてそれ以外ない。現代の作家には疎い。そのため一応この賞をとれば話題にはなるという芥川賞をとった作品を読んでいきたいと思っている。 話の内容 印象に…

田山花袋著「一兵卒」を読んだ感想

「蒲団」を読んだので引き続き田山花袋の本を読むことにした。以下、感想を書いていく。 話の内容 読んだ感想 好きな表現 参考 話の内容 日露戦争の最中、脚気で苦しむ渠かれが病院から出てきて、宿る所或は軍医を探すけれどもある洋館を見つけそこで休もう…

田山花袋著「蒲団」を読む

田山花袋のものは初めて読んだ。漢字が見慣れぬものが出てきた。例えば86頁の一伍一什。これで「いちぶしじゅう」と読むようだ。またロハ台という言葉も36頁ででてきた。これは漢字の「只」を分解してロハと読むが、只つまり無料の台→ベンチという意味だ。 …

筒井康隆著「最後の喫煙者」を読んで

筒井康隆は読んだことがあるようで読んだことがない作家である。今回「最後の喫煙者」を読んで、思ったことを書いていく。 話の中心 似ていると思ったもの 印象に残ったところ 筒井康隆の主張 感想 参考 話の中心 この話はおれが最後の喫煙者となるというも…

星新一著『きまぐれ暦』を読む

久しぶりに星新一の本を読んだ。『きまぐれ暦』は星新一のエッセー集である。共感したもの、独特だと思ったものを並べていく。—— 33頁 考えてみると私は、マスメのなかには規格的な字を書き、マスメがないと個性的となる。 42頁 私にとっての犯罪とは、フィ…