2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

黄色いマーカー レビュー

ちょっと蛍光マーカーを使う機会があったのでその際に使用したものをレビューしていこうと思う。色は黄色単色、4種類でそんなに多くはない。 (マーカーを使う上で重視したかったこと) キャップが開けやすい インクが長く持続する 無くしにくい 太い (反対に…

ファッションに疎い人間が鷲田清一著「ちぐはぐな身体——ファッションって何?」を読む

第一に自分はファッションに疎い。 ファッション誌やテレビのファッションコーナーを見ても(滅多に見ないが)、なにがなんだかさっぱりわからない。知らない。 が、鷲田清一が対談している動画があって、ファッションのことにも触れていて、ネットで調べると…

夏目漱石著「私の個人主義」を読む

この前山崎正和の「柔らかい個人主義の誕生」を読んだので、<個人主義>という名前のつく本は他にもあったと思い、真っ先に思い出し、手にした。本書は何度か読み直している本である。手元にあるのは講談社学術文庫の『私の個人主義』という本で、その中には…

山崎正和著「柔らかい個人主義の誕生 消費社会の美学」を読む

向井敏の「虹をつくる男たち」でも出てきたが、「猛烈からビューティフルへ」という1960年代から1970年代にかけての流行語があった。加藤和彦が<beautiful>と書かれた紙のようなものを掲げながら、街中をぶらぶら歩く、富士ゼロックスのcmから出てきたものである。著者</beautiful>…

藤野可織著「爪と目」(第149回 (2013年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

内容 人の呼び方が変わっているので読みにくいと思うが内容を紹介する。 この作品の主な人物はあなたで派遣社員である。そのあなたが眼科で、3歳であるわたしの父と出会い、わたしの家にくる。 わたしの母はいた。表向きは事故死だったがほんとうのところは…

スタインベック著「真珠」を読む

スタインバックの「真珠」は、1940年3月11日から4月20日にかけてメキシコのコルテスの海、すなわちカリフォルニア湾へ海洋生物調査採集旅行に出かけた際に、ラパスにおいてスタインバックが聞いた民話を基にして、彼が1944年11月から翌年2月にかけて書いた中…

谷川多佳子著<デカルト『方法序説』を読む>について

デカルトの「方法序説」は、着眼点は無しになんとなく読んだ記憶があったが、あまり印象にのこらなかったということもあり、本書を手にした。「方法序説」は手元にあると記憶していたが、探してみたがなかったので、今回はこの本のみを紹介することにする。 …

河合隼雄著「無意識の構造」を読む

河合隼雄の本は2年ぶりくらいに読んだ。前は感想などは書いていないけど、「こころの処方箋」「子どもの宇宙」「子供と学校」などを読んだ。 本書は初めて読んだ。無意識と、意識の領域はどこまで及び、また、どのように違うのか…ということを知りたかったが…

小川洋子著「妊娠カレンダー」(第104回 (1990年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

小川洋子はきいたことのある名前ではあったが作品は読んだことがなかった。今回がはじめてである。 内容 主人公の私の姉の妊娠の様子が書かれている。 姉と義兄の関係や、妊娠中においに敏感になるということや、つわりのさい中は食欲が減っており、体重は赤…

スタインベック著「赤い小馬」を読む

訳者がビアスの「悪魔の辞典」を訳した西川正身だったため、手にした。 この話は4つに分かれている(「贈り物」、「大連峰」、「約束」、「民衆を導き行く者」)。それぞれ独立したものとして読むこともできるだろうが、登場人物や舞台は同じなので、つなげて…

向井敏著「虹をつくる男たち コマーシャルの30年」を読む

本書はサントリー学芸賞というものをとった本のようだ。この賞はあまり知らないが、歴代のものをずらっと見ると面白そうな本もあるので気乗りすればこの賞をとったものを読んでみたいと思っている。 このごろは自分はテレビを見なくなっているので、テレビ上…

久米正雄著「風と月と」を読む

カテゴリーでは今回の作品は久米正雄のものだが芥川のことも書かれていたので「芥川龍之介」のカテゴリーにもこの記事を入れる。 前回読んだ「受験生の手記」はそこまで長い話と言うわけではないが今回の「風と月と」は手元にある二段組みの本で80頁以上ある…

津村記久子著「ポトスライムの舟」(第140回 (2008年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

内容 主人公は29歳、結婚はしていない、ラインの工場勤務、ほかにもパソコン講師やデータ入力の内職などをしている長瀬由紀子(フルネームは最初の方だけ出てくるが以降ナガセ)である。工場勤務のある休憩時間、ナガセはNGOが主催する世界一周のクルージング…

本谷有希子著「異類婚姻譚」(第154回 (2015年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

内容 夫婦が似たものになっていくという話。 主人公である私(サンちゃん)は前に働いていた仕事が激務で体調を崩して悩んでいたとき旦那と知り合った。旦那は「無理して働かなくても大丈夫」といってくれた。私は専業主婦という看板を出してはいるものの朝食…

久米正雄著「受験生の手記」を読む

久米正雄は芥川龍之介と親交があったということから作品を前々から読んでみたいと思っていた。長編の作品もあるようで図書館で手にしたが長さに圧倒された。そのため短いものを読むことにした。いつかは長いものも読んでみたいと思っている。 「受験生の手記…

向田邦子著「ビリケン」を読む

向田邦子のビリケンは前も読んだことがある話でまた読んでみたくなったから手にした。以下話の内容や感想などを述べる。 内容 石黒という主人公が毎朝出勤するときの通りに果実屋があって石黒はそこの主人をいつも見るのが癖だった。その主人は禿げており、…

庄司薫著「赤頭巾ちゃん気をつけて」(第61回 (1969年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

内容 感想 選評 参考 内容 この話の時期は東京大学の入試が中止になったころ。主人公はぼく(庄司薫)で、日比谷高校の三年生である。庄司は犬が死んでしまった勢いもあって怪我をしてしまい、病院へ行ったり足を引きずったり、その様子がこの物語全体で書かれ…

大庭みな子著「三匹の蟹」(第59回 (1968年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

第59回は丸谷才一の「年の残り」と今回紹介する「三匹の蟹」が芥川賞の受賞作である。 内容 感想 選評 参考 内容 アメリカにやってきた日本人夫婦の由梨と武がパーティーを開くことになる。けれども由梨はパーティーに来る人々を嫌悪しているところがある。 …

丸谷才一著「年の残り」(第59回 (1968年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

「芥川賞全集 第8巻」が手元にあるのでこの本に入っている作品についての感想を書いていきたい。 内容 69歳の医者の上原庸という人物が主人公。そこに高校一年生の後藤正也という人物が腹が痛いということでやって来る。上原は息子が死んでしまいおらず、ま…

田中慎弥著「共喰い」(第146回 (2011年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

これもまた最近の芥川賞を取ったものだけど読んでみた。 内容は女との行為のときに殴りつけるという癖がある父親をもつ篠垣遠馬という人物が父と同じような癖を表すのか、という事であったり、父は妻とは別居中で、他の女と暮らしているのだがどういうふうに…

長嶋有著「猛スピードで母は」(第126回 (2001年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

内容 舞台は北海道。話は雪のため、車のタイヤを母とその息子の小学生である慎が交換するところから始まる。 慎は母と二人暮らしをしており、時々祖父母の家に行く。 母が結婚するかであったり、慎の学校での様子が中心にかかれている。 感想 最近はあまり新…

髙樹のぶ子著「光抱く友よ」(第90回 (1983年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

第90回は笠原淳の「杢二の世界」と髙樹のぶ子の「光抱く友よ」が芥川賞を受賞している。以下話の内容や感想などを述べる。 内容 感想 選評 参考 内容 主人公は高校に通う相馬涼子。英語教師の三島良介に惹かれていた。 ある時涼子は二階へ通じる踊り場辺りで…

笠原淳著「杢二の世界」(第90回 (1983年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

以下話の内容や感想などを述べる。 内容 感想 選評 参考 内容 話は最初杢の兄とその嫁典子とその子で小学三年生になる息子の悟が出てくるところから始まる。ふと悟が兄に「……杢二さんかと思った」というところで、杢二の兄は杢二のことを思い出し話は進んで…

芝木好子著「青果の市」(第14回 (1941年下半期) 芥川賞受賞作)を読む

以下話の内容や感想などを述べる。 内容 主人公は八重。長女で、仲買人で、築地市場の問屋定文(さだぶん)で働いている。八重はこの仕事を好きでしている。また、未婚である。 八重の家族の事情や八重が結婚しないかという問題であったり問屋で働いている様…

三田誠広著「僕って何」(第77回 (1977年上半期) 芥川賞受賞作)を読む

以下話の内容や感想などを述べる。 内容 感想 選評 参考 内容 主人公は上京してきた僕、大学に通っている。うまくとけこめずにいる。集会に誘われたきっかけである学生運動のグループb派に入る。そこでデモをしていると僕はひとつにとけあった感じにうたれた…