2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

芥川龍之介の作品を読み漁る——「仙人」

「仙人」 大阪に来た飯炊き奉公の権助が口入屋の番頭に仙人になりたいのだがどこへ住み込めばいいのかといったが番頭はどこへ奉公させるべきかわからず、医者に頼んだが医者もわからず…医者の女房が無給で二十年間奉公すれば二十年目には仙人になる術を教え…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「夢」

「夢」 どういう話かざっというと画家であるわたしが制作の為、mという家へ出かけ女をモデルとして雇うがそのうちにそのモデルを絞め殺してしまったという夢を見、現実にもいなくなってしまった、また、わたしが葱畠で無意識に火をつけていたことなどを思い…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「歯車」、「暗中問答」

「歯車」 結婚式に向かうという点では「たね子の憂鬱」と同じような設定、また、姉の夫の肖像画を見た時、姉の夫の口髭——顔の一パーツ——がぼんやりしているようで気になるというところも「たね子の憂鬱」と似ている。歯車を見たりレインコートを着た幽霊が出…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「たね子の憂鬱」

「たね子の憂鬱」 たね子の夫の先輩にあたる実業家の令嬢の結婚式の会場が帝国ホテルだと知ったたね子は洋食の食べ方の作法というものを知らず夫に稽古のため銀座の裏にあるレストランに連れて行ってもらったということが中心にかかれた作品で、その後は帝国…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「河童」、「浅草公園——或シナリオ——」

「河童」 第二十三号が三年前の夏、上高地の穂高山を登ったところ河童に出会い共に生活し、その河童との生活を精神病院の院長やs博士に喋るという話。第二十三号は次第に河童の言葉を覚えこっちの世界に帰ってからもあの河童の世界に行きたいというのではな…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「彼 第二」、「蜃気楼——或いは「続海のほとり」」

「彼 第二」 「彼」に出てくる彼は第三中学校から付き合いがあり文学や社会科学の話が好きだったが病気になった途端興味がなくなった……という人物だったが、「彼 第二」に出てくる今度の彼は愛蘭土人である英字新聞の記者をやっている。ロンドンへ行ったり日…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「点鬼簿」、「悠々荘」、「彼」

「点鬼簿」 ※ 点鬼簿とは死者の俗名、法名、死亡年月日などを書き溜めておくもの。過去帖。 一章では僕の母(実母。名はふく)が狂人だった、そして僕が十一のときに死んだことが描いてあり、二章では僕の生まれる前にすでに亡くなっていた初子という姉がいて…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「春の夜」

「春の夜」 あらすじ 近頃nさんという看護婦に僕が聞いた話。僕は当時大腸カタルを起こして横になっておりnさんは粥を煮ながら僕にその話をしてくれた。nさんはある年の春、牛込の野田という家に行っておりそこには女隠居が一人、それからその娘と息子がい…

芥川龍之介の作品を読み漁る—「海のほとり」「尼提」「死後」「年末の一日」

「海のほとり」 芥川(ぼく)がm(久米正雄とされる)と上総の宮町海岸に行った時の話で、宿で哲学科にいたkという男の夢をみたり、海に行くとkが海月にやられたり派手な水着姿の女がいたり、ながらみ取りの幽霊は本当にいるのか等と話し合っている。海際の美…

井上ひさしの『新釈遠野物語』を読む

遠野物語はさらっとしか読んだことがないが、この本を手にしてみることに。遠野物語だと、遠野の人佐々木鏡石君から聞いた話が描いてあるが、井上ひさしのものだと主人公であるぼくが大学の文学部を休学しているときに、遠野で出会ったトランペット吹きの犬…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「葱」、「尾生の信」、「秋」、「女」

「葱」 あらすじ おれは締め切り日を明日に控えた今夜、一気呵成にこの小説を書こうと思う。神田神保町辺にはお君さんという女給仕がいる。美人である。芸術的趣味を持つ。もう一人年上の女給仕がいる。お松さんといって、お君さんほどの器量ではない。お君…

芥川龍之介の作品を読み漁る——「蜜柑」、「沼地」、「疑惑」、「じゅりあの・吉助」

芥川龍之介の作品は、ほとんど読んだことがない。キリスト教のものが多かったり、何かの物語の上に成るものが多いというイメージがあったので、敬遠していたところがあった。しかし、読んでみることに。今回読んだのは、ちくま文庫から出ている芥川龍之介全…

Summary of "Death in the Woods" by Sherwood Anderson

Summary Grimes, old woman was so hard worked of the wheat harvest under the domination of a German farmer. So Jake Grimes who belonged to a family that had had money once got his wife off a German farmer. She married Jake and had a son and…

Summary of "A Rose For Emily" by William Faulkner

Summary Miss Emily Grierson had been a duty, and a care; a sort of hereditary obligation upon the town, dating from that day in 1894. Miss Emily Grierson refused paying tax- claiming “I have the privilege not paying tax because my father l…

Summary of "Hearts and Hands" and "The Defeat of the City" by O. Henry

Summary of “Hearts and Hands” At Denver many travelers boarded B.&M. train. It was heading east. In one car there sat a very pretty young woman dressed in beautiful clothing, two men, one was younger, good-looking, well-dressed, and seemed…

Summary of "Witche's Loaves" by O. Henry

Today, I’m summarise “Witche’s Loaves” by O. Henry. But I’m not guarantee my English skills. Also this book isn’t script by O. Henry, some part was calibrated. Summary of “Witche’s Loaves” Miss Martha Meacham kept the little bakery on the …

さくらももこの『そういうふうにできている』を読む

さくらももこの作品は『もものかんづめ』を読んだ以来であり、久しぶりだ。『そういうふうにできている』は初めて読むもの。この題は、糸井重里がラーメン屋でサインを求められたときに<そういうふうにできている>と書いたこととさくらももこが日ごろからそ…

幸田文著「濃紺」を読む

幸田文の本は「おとうと」をこの前読んだばかり。「濃紺」は講談社文庫の『台所のおと』に収録。短編は全部で10個あったが、むずかしいものが多かった。ひとつだけ紹介。 「濃紺」 あらすじ きよが息子の家に行く。そこでは、孫たちが喧嘩し始めた。というの…

「川端康成・三島由紀夫 往復書簡」を読む

動画では、三島由紀夫と川端康成が話しているところをみたことがあったものの、書簡をあつめたものがあるとは知らず、たまたま古本屋で見つけたため、読むことにした。英語の試験に落第することや、大学の試験の勉強が嫌で、川端に手紙を渡したくなったと書…

江國香織著「とるにたらないものもの」を読む

江國香織の本は、初めて読んだ。それでもって、エッセイを読む——どんな人なのかな、と思いながら読み進める。読後感は、なぜか、さわやかな感じがした。行間をよくとっていて、片仮名が多かったせいもあるだろう。 ことばが好きなんだろうな、又、こだわりを…

幸田文著「おとうと」を読む

内容 不和な両親のもと、弟の碧郎と姉の関わりを中心に描いたもの。序盤では、様々な疑惑をかけられてしまう(例えば碧郎が学校の子を骨折させたという疑惑や、姉がものをとったという疑惑)。碧郎は、骨折をさせたというという疑惑をかけられたことで、不良仲…

中河与一著「天の夕顔」を読む

古本屋でたまたま見つけて、調べたらそこそこ有名だということで、読んでみることにした。著者も本の名前も初めてみた。 ざっくりとしたあらすじ 主人公が20数年間、7歳年上の夫のいるあき子に恋をした。相手も、夫が他の女に恋をしていたということもあり、…

向田邦子著「隣りの女」・「下駄」を読む

前に、「男どき女どき」は読んだことがあった気がするが、これは初めて読む。5作品入ってたけど、紹介するのは二つー「隣りの女」と「下駄」。 「隣りの女」 ざっくりとしたあらすじ スナック勤めの女が隣に住んでいる。その部屋からは話し声が聞こえる。そ…

井上靖著「猟銃」・「闘牛」を読む

前にも読んだことはあり、又読み返したいと思っていた本。「闘牛」は何となく頭に残っていたが、「猟銃」はすっかり抜けていた。全体の文の印象として、どっしりしていて、漢字が多い。他にも「比良のシャクナゲ」というのも入っていたが、今回は読まなかっ…

「三島由紀夫レター教室」を読む

「三島由紀夫レター教室」は以前読んだことがあったものの、すっかり忘れてしまい、再読することにした。自分から自分への手紙や暇な人が暇な人へ送る手紙などがあり、面白い。主要な登場人物は五人おり、それぞれ癖をもつ。特に、45歳のトビ夫・ママ子のコ…