さくらももこの『そういうふうにできている』を読む

さくらももこの作品は『もものかんづめ』を読んだ以来であり、久しぶりだ。『そういうふうにできている』は初めて読むもの。この題は、糸井重里がラーメン屋でサインを求められたときに<そういうふうにできている>と書いたこととさくらももこが日ごろからそういうふうに感じるというところからきている。

感想 この本は妊娠生活を中心に書いている。さくらももこは、重大なことや普通は面白いとは言われないことを、どこか面白いと感じさせてくれる。例えば、胎動を経験することは、腹部がぴょこぴょことおならのガスが移動することと似た感覚だといったり、おじいちゃんが嫌いで、早く死んでくれないかなと思ったりなど。どうしてもちびまる子ちゃんを思い出してしまう。ちびまる子ちゃんにユーモアがあるからこそ、文章も面白く感じるのだと思う。

自分は妊娠を経験したことがない。そのため、妊娠中は体重が増える、全身がかゆくなるというのは、そういうこともあるんだなと思った。

文の終わりの方にビートたけしとの対談が載っていた。たけしがおいら……から話すのはテレビだとそう違和感はないのだが、文でおいらというのは慣れていないせいか、笑ってしまった。

 

参考

さくらももこ、『そういうふうにできている』、新潮文庫、1999年