ロアルド・ダールのチャーリーの話について

・「チャーリーとチョコレート工場」について  

 これは10年くらい前に映画で観たことがあった。とくにウンパルンパのジャングルにいたころの映像を今でもなぜか思い出したくなるときがある。好きな作品だったため小説も読んでみた。映画は日本語で観たので英語だとどういう表現をするのだろうと思っていたところがあった。例えばバイオレットというガム好きの少女が食事のときは耳の後ろにガムを隠すがそれ以外ガムを噛んでいるというところ。

 

"…I just adore gum. I can't do without it. I munch it all day long except for a few minutes at mealtimes when I take it out and stick it behind my ear for safekeeping. " (p.37)

 

そのままだがわかってよかった。

 

 チャーリー以外の子供は本当はそうするべきではないところで自らの欲望や興味に従ってしまいなにかしらの危害を受けていた。時には欲望や興味を抑える必要があるのだということを言っているのだと思った。チャーリーは読んでいて手を差し伸べたくなる人物だなと思った。例えばチャーリーの誕生日に買ったチョコレートをほかの家族にわけてあげようとしたり、貧しくて食事がないながらチャーリーにその分、母がパンをあげようと思ってもそれには触れず戻してきたり。そういうのを見るとこの人に何かいいことが起こればいいなというふうに思うものだ。けれどもそれはどうなのかと思うこともあった。例えばチャーリーはウォンカ氏の工場に行く前にお金を拾っていた。そのお金で買ったチョコに入っていたチケットのおかげでウォンカ氏の工場へ行くことができた。それはお金がないとはいえいいことだとは思わない。もし仮にお金ばかり落ちている場所が工場内にあったらチャーリーはそれに手を出し他の子供のように何かしらの危害を受けていたかもしれないということを思った。

 

 ウンパルンパは歌を歌うのだが歌うシーンを長く割いていて読みごたえがあった。

 

 

・ロアルド・ダールとチョコレートについて(ロアルド・ダールの回想記「少年」を参照した)

 ロアルド・ダールは「チャーリーとチョコレート工場」(1964)の作者である。ダールがレプトンのパブリックスクールに通っていた頃、cadburyという会社の主に新しくできたチョコが段ボールに詰まって宿舎に時々送られてきて、その感想を書く必要があった。また、ダールは自分がcadburyの工場で働いている姿をそこでイメージして新しい試作品ができそれを売る姿を想像していた。それから35年後、ダールが物語を書くとき、その頃のことを思い出し「チャーリーとチョコレート工場」を書いた。

 

 

・「チャーリーと素晴らしいガラスのエレベーター」(1972)について

 これは「チャーリーとチョコレート工場」の続編である。登場人物はチャーリーの家族とウォンカ氏である。前半ではガラスのエレベーターで宇宙へ向かい宇宙のホテル'U.S.A.'の人材を配置するために宇宙に来た輸送カプセルに乗った宇宙飛行士やホテルで働く予定の人々に出会ったり、knidsという怪物に出会ったりする。他の国や宇宙を巻き込んだという点ですごい壮大な話だと思った。後半ではチョコレート工場に着きある薬を飲む。文中でもふれられていたがもし仮にウォンカ氏がその薬を飲んだら前の「チャーリーとチョコレート工場」に出てくる子供も呼ぶ必要がなくなって当然チャーリーとの出会いもなかった。「チャーリーとチョコレート工場」ではチャーリーの祖父母はチャーリーに同伴したジョーおじいさんを除きあまり登場しなかった。しかし「チャーリーとガラスのエレベーター」ではジョーおじいさん以外のチャーリーの祖父母が登場する機会が多く性格が見えてくる。

 

 

・単語

「チャーリーとチョコレート工場」

ravenously 飢えた

bust 破綻

warren ウサギの飼育場

dawdle ぐずぐずする

breakneck 異常な速さの

kerb 縁石

repulsive 冷淡な

 

「チャーリーと素晴らしいガラスのエレベーター」

sword-swallower 剣呑み

wallop もがく

crayfish ザリガニ

dab 軽くたたく cf. Mrs Bucket was sitting on the edge of the big bed, dabbing her eyes with a hanky.(p.138)

glide すべる 

 

 

 

 

・読んだもの

Charlie and the Chocolate Factory

Charlie and the Chocolate Factory

  • 作者:Dahl, Roald
  • 発売日: 2007/08/16
  • メディア: ペーパーバック
 

  

Boy: Tales of Childhood

Boy: Tales of Childhood

  • 作者:Dahl, Roald
  • 発売日: 2009/01/22
  • メディア: ペーパーバック
 

※「マチルダ」の記事の時も紹介した

 

Charlie and the Great Glass Elevator

Charlie and the Great Glass Elevator

  • 作者:Dahl, Roald
  • 発売日: 2007/08/16
  • メディア: ペーパーバック