「コンパートメント」はレイモンド・カーヴァーの『大聖堂』('Cathedral')に収録されている。一年ほど前に、表題と同じ「大聖堂」という短編を村上春樹の訳を参照しながら読んだ記憶がある。今回はその時に読んでいなかった「コンパートメント」という短編を読んだ。
この話は、息子に8年間、喧嘩が原因で会っていないマイヤー(Myer)という父親がフランスに行き、会おうとして電車に乗ったが、途中でその息子のために買った時計がないことに気づき、やはり会うのはやめた、ということが主に書かれている。
電車内でのマイヤーとほかの乗客の様子が書かれているのがよかった。マイヤーが寝れないのにほかの乗客は寝て、いびきをかいていたり、時計を盗まれた後、電車をうろついたり…。また、マイヤーのわからない言語を話す人物が車内に数人登場していた。マイヤーの孤独なかんじがつたわってきた。
読んだもの
Raymond Carver, The Compartment('Cathedral'に収録), Vintage Classics, 2009
以下は参考
- 作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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