桃尻関係

桃尻と書いてもじります。哲学、地名、本の感想などを中心に書いていきます。

W. Somerset Maugham, 'Liza of Lambeth'(「ランべスのライザ」)を読む

 今回も単語を調べつつ読んでいった。

 

 まず話の内容から。

 ライザ(Liza)というランべス(Lambethという地名、ロンドンの南)にいる、工場で働いている18歳の少女が主人公である。ライザの母親は年を取っており、ライザの看病を必要としている。ライザは知り合いにチングフォード(Chingford、ロンドンの東)にお酒を飲んだりなどするため行かないか、と誘われる。そして行くことにする。一緒に行くのはランべスの友達、サリー(Sally)やランべスを気にかけている男、トム(Tom)や妻子がいるジム(Jim)などである。ランべスは妻と子供のいるジムのことが好きになってしまう。それでジムの家庭の状況は悪くなっていく。

 全体的に悲惨な感じがした、ライザは母親の看病をしなくてはならないということであったり、物語の後半の男性から女性への暴力(例えばライザの友達サリーの夫がサリーに暴力をふるうシーン、ジムが妻やランべスに暴力をふるうシーン)があったりなどである。

 

 この話にはコックニー(Cockney)(そう呼ぶのは適切ではないかもしれない)というロンドンの労働者の言葉があって、見慣れないので読むのが大変だった。たとえば'h'が省略されていたり。わからないところもあったが、なんとなくで読んでいった。

 ランべスという地名を調べると、ミュージカルの'Me and My Girl'というものがあって、そのなかで'The Lambeth Walk'という曲があるようだ。聞いた。楽しそうだった。

 

 

 

 いろいろ知らない文化的なことがあってその都度、wikipediaや動画で調べていった。

 

 まず'Bank Holiday'。これは26ページに出てきた。

 'Bank Holiday'はイギリスの国が定めた公的な休みの日のようだ。それは一日だけではなく、'Early May Bank Holiday', 'Spring Bank Holiday', 'June Bank Holiday', 'Summer Bank Holiday', 'August Bank Holiday', 'October Bank Holiday'などさまざまある。(wikipediaを参照)

 

 次に'coachman'(御者)。31ページに出てきた。ライザが知り合いと共にチングフォードに向かう場面だ。トムが御者に、ライザが母親の許可を取るために時間がかかることを言う。ライザは母親に行ってくることを言う。それで出発のときに御者が馬を鞭打つ。'The coachman cracked his whip,(...) '(p.31) これは'coach'という(馬が引く)乗り物があるみたいだ。その動画を検索すると以下のものがでてきた。


Victorian Carriages (1959)

 

 

 それから話の後半の方で、ライザとジムの妻、ジムの間で一悶着あった後、ライザとライザの母親が会話する場面がある。そこで母親はなにかの歌をうたう。ライザも憂鬱になりながら歌を口ずさむ。その歌は'Auld Lang Syne'という。'Should old acquaintance be forgot And never brought to mind?.... For old lang ayne'' (P.112)

 

 自分は初めて見たため調べたのだが、もしかしたらご存知の方もいるのかもしれない。ロバートバンズ(Robert Burns)というスコットランドの詩人が1788年に書いた詩のようだ、メロディーはスコットランドの伝統的なもの。「蛍の光」の原曲でもある。(wikipedeiaを参照した) 以下のもの。

 


蛍の光 - Auld Lang Syne (スコットランド民謡) by Shaylee編曲バージョン

 

 

 

 印象にのこったところはふたつある。ひとつめはライザが知り合いたちと一旦別れたところ。ふたつめはジムとライザが飲み屋に行って飲み食いするところ。以下、続けて引用する。

 The street was perfectly silent, and the lamp-posts, far apart, threw a dim light which only served to make Liza realize her solitude. (p.45)

  When they got in they discovered they were hungry, and seeing some appeising sausage-rolls, ate of them, and washed them down with a couple of pots of beer(...) (p.62) 

 

 ひとつめは静かななか、ポストの薄明かりがライザをさびしくさせたということが書いてある。

 ふたつめはお腹がすいてソーセージロールを食べ、ビールを飲むということが書いてある。'washed them down'というのが豪快な感じがした。

 

 

読んだもの

Somerset Maugham, 'Liza of Lambeth', Harmondsworth: Penguin Books, 1978