後で回収するためのボケ(アンガールズ・サンドウィッチマン・アンタッチャブル)

 こういう題名にしてしまうと、範囲が広いのかもしれないが、書いていく。

 今回、書いていきたいのは、一度ボケたことに取り合わないけれども、後でそれについてツッコんでいく、という種類のものである。

 見た動画——アンガールズ・「蜂の巣駆除」、サンドウィッチマン・「結婚相談所」、アンタッチャブル・「山崎不動産」

 

 まず、アンガールズのネタから。蜂の巣駆除の二人がいろいろ話し合っている。田中は「行くぞ」と言って、舞台袖に行く。山根は「そういえば先輩、昨日ウルフルズのベスト買ったんですよ」という、田中は「あ、そうなの」とは言うが、山根とと二人で舞台の袖に行ってしまう。二人は、舞台に戻ってきて、山根はまた、「あ、そういえば先輩、昨日ウルフルズのベスト買ったんですよ」という、田中はここでそのことに取り合う、「それさっき聞いたよー」、田中特有のキレ方で笑いが起こる。このあとも、このネタの最中に、ウルフルズネタは何度か入っている。

 

 サンドウィッチマンのネタでは、伊達が富沢のもとにやってくる。富沢がいろいろと、伊達に質問する。「いままで何人と付き合ったことありますか。」、「ちなみに車は乗られていますか」、「今まで賞取ったことはありますか」。それぞれ、伊達が答えていくが、富沢は自分はもっとすごいことを言う。しかし、それぞれ、伊達はその富沢が張り合ってくることには取り合っていない。三回目で、伊達は「なんなんだよお前さっきから」という。富沢が、立場上、上であることを証明したかったようで、その後伊達が、「あなたが上で」と聞いてきたので、富沢が、伊達の「僕は」というところを「下です」と言っている。そこで客は笑っている。

 

 アンタッチャブルのネタは、山崎が不動産会社で、柴田がその元に来る客である。

 客の柴田がお笑い芸人だということに山崎は気づき、お笑い芸人ってこういうことやるんですよね、と言って幾つかこういうのやるんですよね、ということを見せる。

 山崎は「ウーパールーパーじゃねえんだから」、と唐突に言う。柴田は、それを一応拾いはする、「えっ、ウーパールーパーって、どこで使うのそれ」。しかし、わからないまま…ネタは過ぎていく…

 後から、山崎が、柴田がお笑い芸人であることを考慮してか、柴田が突っ込んだことを真似する、そのとき、柴田が言っていないことも言う。そこでウーパールーパーは再び出てくる、「駄目だよ、屋根無かったら生活できねえじゃねえか、雨降ったらびしょびしょになっちゃうわ、俺ウーパールーパーか。」、そこで笑いが起こる。

 

まとめ

 以上、三組のネタについて書いてきた。いずれも、その場でボケたことに対してはあまり取り合わないけれども、後からそのボケにツッコんでいくものである。

 最初のアンガールズのネタでは山根の「そういえば先輩、昨日ウルフルズのベスト買ったんですよ」といったところはあまりふれられなかったけれども、のちのツッコミで笑わせ、ネタの後半部にもウルフルズを生かしている。次のサンドウィッチマンのネタでは、伊達が言ったこと以上に、富沢は張り合っていき、伊達はそれぞれには取り合わなかったが、三つ出たところで、「なんなんだよお前さっきから」と言って、その後の笑いにつなげている。アンタッチャブルのネタでは、ウーパールーパーという単語は、一度出てきたが、ネタをしている柴田も、見ている側も何のことかはわからない。しかし、後で、ウーパールーパーをいう瞬間が出てきて、笑いが起こる。

 

 いずれも、それぞれその場で突っ込んでいったら、笑いが薄れると思う。ときには、笑いにふれないで、あとからそれをもってくる、ということが効果的だと思った。