【モネ】 国立西洋美術館へ行く

 久しぶりに国立西洋美術館へ行ってきた。きっかけは、新聞を読んだからである。新聞には、モネ(1840-1926)の<睡蓮、柳の反映>という作品がかなり修復されているものが国立西洋美術館に展示されている、ということが書いてあったからだ。それで見たくなった。

"f:id:kankeijowbone:20190614212

国立西洋美術館、<松方コレクション展>の入場券、 一般1600円

 営業時間は今日金曜日は20時までやっていた。金・土曜日は、だいたい20時までやっている。今日は16時頃に行った。お金を支払うところには自分とあと一人しかいなくてもう受付が終っているのかと思った。そのくらい空いている。中はある程度混んでいる。時間帯もあるだろうし、平日というのもあるだろう、良かった。

  

 館内へ入る。

 最初に、その修復されたモネの<睡蓮、柳の反映>というものがあった。デジタルで修復したようだ。展示室内の写真は撮影禁止だが、このデジタルのもののみ、撮影可能だった。

f:id:kankeijowbone:20190614212441j:plain

モネ、<睡蓮、柳の反映>、1916、デジタル

 サイズ感はすごくでかい。人が三人手をひろげて立てるぐらい、という感覚か(わかりづらい…)。水面に睡蓮が、反映しているのか、きれいだった。

 この作品はデジタルで修復したもので、もともとのものは展示室の最後にあった。2016年にフランスで発見されたのだという。

f:id:kankeijowbone:20190614222442p:plain

大体黒い部分が破損していた箇所

  上の図はもともとの破損したもののイメージである。これは展示室の最後にあったため、写真は撮れなかったので、変な図を作ったが、この黒い部分(本当は違う色だが)というのが、破損した部分である。それで、灰色の部分は、デジタルのものとほとんど同じである。つまり絵のほとんど半分がデジタルで復元したようなのだ。

 

 なぜこのようなことができたのか、ということがデジタルのものの隣のパネル展示に書いてあって、それによると、フランスの建築文化財メディアデータというところが、保管していたガラス乾板というのと、現存している部分をかなり比較していって、いろいろと調査を行っていったようだ。このガラス乾板というのが最大の手掛かりになったのだという。また、国内外にある描かれた主題や時期が近い作品を観察していく中で、描かれている柳の映り込みや睡蓮の葉の位置から、北九州市立美術館所蔵の<睡蓮、柳の反影>という作品が近いことが分かり、さらに解釈の幅を狭めていったのだという。それからAI技術も使っていったのだという。 (デジタルの<睡蓮、柳の反映>の展示の横のパネルを参照した)

 

 却ってわかりにくくなっていたら申しわけない。

 

 よくわからないけど、凄いと思った。大きさ、迫力に圧倒された。それから、自分はモネの初心者で、「睡蓮」という作品が複数あるとは知らなかったのだが、複数あるようだ。それで、今回見た<睡蓮、柳の反映>という作品はそのうちの一つの作品のようだ。

 

 

 それ以外にも作品を色々とみてきた。

 印象にのこったことはいくつかある。まず、モネはフランスの画家だが、<ウォータールー橋、ロンドン>(1902)や<チャーリング・クロス橋、ロンドン>(ca. 1902)というイギリスの場所も描いているということ。モネはイギリスに行っていた時期もあるようだ…1870年普仏戦争が勃発すると、モネは兵役を避けるためにロンドンに渡り、イギリス風景画のターナーやコンスタブルという画家の研究をしていたという(Wikipedia(クロード・モネ)を参照)。初めて知った。

 それからシスレー(1839-1899)というフランス生まれのイギリス人の作家の描いた作品は、木の描き方が、目を見張るものがあった。

 また、シャルル・コッテ(1863-1925)というフランスの画家の<悲嘆、海の犠牲者>(1808-1809)という作品は、足を止めて鑑賞したが、すごい表情をしていると思った。濃厚に描かれた絵で、(生身の人間がこんな顔できるか)と思うほど、すごい顔をしていた。

 あとは、ポール・シニャック(1863-1935)という作家の<漁船>という作品もよかった(下の写真を参照)。

f:id:kankeijowbone:20190614212305j:plain

ポール・シニャック、<漁船>(E20c)

 これはポストカードを買って、写真を撮ったものである。展示されているサイズはほかの作品に比べ、そんなに大きくなかったと思う。色づかいがいいと思った。塗り方は雑と言えば雑で(多分そういう手法があるのだろう)、下にまだ塗りの残しの白い部分があったりするのだけれども、それでも味が出ていると思った、とくに船の下の方の部分、紫と赤の塗り方がいいと思った。水面の反映もいい加減な色遣いをしているように見えるが、そこがまたいいのだと思った。力を込めていなくて軽く描いたけども力作、といった感じがする。それ以外には、船のところをよく見ると、番号が振ってあったり、記号が書いてあったりするのだが、そういうところが気になった。

 

 他にもサイズの大きな作品があったり、また、その枠の豪華さだったり、いろいろと見どころがあった。モネ以外にも、「松方コレクション」というだけあって、松方幸次郎が持ち帰った作品が年代別に、テーマ別に展示されていた…ゴッホやピカソ、セザンヌ、ムンク、ロダンといった有名な画家や作家の作品が展示されており、面白かった。

 

参考…〈松方コレクション展〉の会期は2019年6月11日(火)~2019年9月23日(月・祝)までである(国立西洋美術館のホームページを参照した)。